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仕事の段取り術
はじめに
エムハンドでは、社員のスキルアップを図り、さらなる品質向上に向けて月一で勉強会を開催しております。今回の題材は『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』(水野学氏著)です。シニアクリエイティブディレクターの篠村の視点から要点を抜粋しつつ、社内勉強会の雰囲気とあわせてご紹介いたします。
シニアクリエイティブディレクター 篠村 美穂
幼稚園教諭としてキャリアをスタートさせた後、デザイン専門学校に入学。インターンとして参加したWeb制作会社でWebの魅力にとりつかれ、正式に同社へ入社する。当初はデザイナーを目指していたが、適性を見込まれて営業兼ディレクターに。その後イベント会社を経て、2019年6月にエムハンドに入社。現在は10年以上のWeb業界の経験を生かし、東京オフィス所属のディレクターとしてお客様対応に明け暮れている。
目次
01. プロジェクトのゴールをイメージする
<質問タイム📢>
「段取り」とは、どちらを指すと思いますか︖
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💗:「目的地まで歩く」ときの最適な手順を「段取り」と呼ぶ
🎉:「正しい目的地」を定めるところから「段取り」と呼ぶ
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※社内勉強会では🎉(クラッカー)が多数でした
仕事を分解すると大きく3つに分かれる
- 目的地を決める
- 目的地までの地図を描く
- 目的地まで歩く
仕事には「明確なゴール」が重要
仕事には「明確なゴール」がとても重要で、それを「きちんとイメージできているかどうか」が仕事の成否を分けます。
02. すべての仕事は「ルーティン」である
<質問タイム📢>
「仕事はすべて同じ」ですか?それとも「仕事はすべて違う」ですか?
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💗:仕事はすべて「同じ」と思っている。
🎉:仕事はすべて「違う」と思っている。
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※社内勉強会では🎉(クラッカー)が多数でした
「毎⽇が新しいことの連続」なんてありえない
- 段取りの前提として、「仕事はすべて同じ」である
- 仕事において、「毎日が新しいこと」などありえない
- 内容は違っていても仕事はすべて同じ
なぜ、仕事はすべて同じと言えるのか……
- どんな仕事にも「締め切り」がある
- やりとげるまでのタスクは基本は同じ
段取りをつくってしまえば、ルーティンとしてどんな仕事も確実にやりとげることができる
<ルーティン例>
大きな流れはどれも同じである
このプロセスを途中で省いて、ろくに調べずに取りかかったり、方向性を決めることなくいきなり細部を考え始めると、その後の段取りがうまくいかなくなります。そんな例は、実は多いのではないでしょうか。
03. まず「知ること」からすべてははじまる
<質問タイム📢>
段取りは「準備」が何割でしょうか?
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💗:段取りは「準備」が9割
🎉:段取りは「準備」が5割
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※社内勉強会では💗(ハート)が多数でした
段取りは「準備」が9割
段取りとセンスは「知識のストック」を必要とする
センスは、多くの知識をストックし、最適な組み合わせを考えることで磨かれていきます。 段取りもセンスとよく似ていて、知識なくしては成り⽴ちません。 知識のストックという「準備」が、あればあるほど 「段取り」はうまくいき、仕事の精度は⾼くなるでしょう。
長年にわたって使える自分の財産とするには?
以下の習慣をつけておくと、長年にわたって使える自分の財産となります。
- 段取りをする前に、関係ありそうなあらゆる知識をサーチする
- 段取りとは無縁の、関係ないような知識のストックを増やしておく
04. 全てにおいて時間は「王さま」
なぜ、あらゆる仕事に「段取り」が必要なのか?
- 「時間」が、限られたものだから
- 私たちは時間に支配されている存在
<質問タイム📢>
クリエイティブにまつわる仕事の場合はどちらがよいでしょうか?
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💗:「いいものをつくる」よりも「時間を守る」ほうが大切
🎉:「スケジュールをこなす」より「いいものをつくる」ことが大切
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※社内勉強会では💗(ハート)が多数
締め切り > いいものをつくる
これが絶対ルールであり、時間よりも強い制約はこの世にはありません。お客さんからお⾦をいただいて「この⽇までにつくります」と約束したのに「いいものをつくることが優先だから破ってもいい」などと思うことはありません。この章は刺さる言葉が多いのでみなさんも読んでみてください。
<篠村さんおすすめの刺さる⾔葉>
- スケジュールを制するものは仕事を制す
- 「完成したら世に出す」のではない。「締め切りが完成」である。
- 締め切りをつくる。ない場合は「仮」でもつくる。
- 長期プロジェクトでも「カップ焼きそば」のつもりで
05.「つらい仕事か楽しい仕事か」は考えない
<質問タイム📢>
仕事をする上で、「メンタル」「時間」どちらの尺度ではかっていますか?
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💗:「軽い仕事」「重い仕事」という形ではかっている
🎉:「短時間で終わる仕事」「長くかかる仕事」という形ではかっている
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※篠村さんは💗(ハート)だったそうです
仕事は「メンタル」でなく、すべて「時間」ではかる
<「時間ボックス」に仕事を入れていく>
- やるべきことが何か
- どのくらいの量があるか
上記2つを予測する力が必要です。最終のイメージづくりや準備がきちんとできていればいるほど、予測力は正確なものになります。
06. チーム全体で同じ方向を向くために
- チームで仕事をする場合、たくさんの約束が生じる
- これを/いつまでに/やりとげるという約束を果たすためのベストな道をつくることが段取り
- 段取りとは、ものごとと人との間にあるわけではなく「人と人の間」に存在している
「チームで仕事を進める」ということは「約束を果たすこと」
なんとなく仕事を進めるクセのある人は「これは締め切りではなく、チームを組んでいる人たちとの人と人との約束だ」と意識するとよいでしょう。
07. 感想・質疑応答
- 特に軽い仕事、重い仕事等、メンタルではかる場合は個人の尺度によるので、時間という尺度で判断すればみんな平等だと認識できた。
- 時間はみな平等。まずはスケジュールを守ることを優先させ、品質は後でブラッシュアップさせることも可能であると意識できた。
- みんな平等に与えられているものは時間だと思っているので、効率よく仕事をし、仕事もプライベートも充実させていきたいと思えた。
おわりに
今回の勉強会に参加することで、仕事の段取りについて改めて考える機会が得られました。著者である水野学さんは、くまもんなどのデザイン、ブランディングを手がけたクリエイティブディレクターです。ディレクター職はもちろんのこと、本書で「仕事とはすべて同じこと」との考えが示されているように、他の職種の方にも参考になることが多いのではないでしょうか。
この勉強会の内容は一部のみの紹介です。詳細を知りたい方は、ぜひ本書を手にとってご覧ください。2時間でサクッと読めるとのことです。
社内勉強会の様子ですが、篠村さんのあたたかく楽しい人柄のおかげで、終始なごやかな雰囲気で進行しました。感想・質疑応答の時間には、多くの方が発言し、熱量の高さを実感しました。特筆すべきは、時間に関するコメントが多かった点です。勉強会はスキルの向上はもちろんですが、普段交流の少ない社員同士の人間性や社内の空気を感じるとてもよい時間となっています。引き続き社内勉強会で様々な技術を磨き、社員同士のコミュニケーションを活発にし、よりいっそう円滑に業務を進める努力を続けます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
writer
–
ぽぽ @lpncpn