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CI・VI・BIのそれぞれの役割
ブランディングを考える際、CI(コーポレートアイデンティティ)・VI(ヴィジュアルアイデンティティ)・BI(ブランドアイデンティティ)の名前は聞いたことがあるけれど、はっきりとした目的や役割を理解して区別しないとかえって混乱してしまう場合があります。ここでは【CI】【VI】【BI】について説明していこうと思います。
CI・VI・BIのそれぞれの役割とは?
CI(コーポレートアイデンティティ)・VI(ビジュアルアイデンティティ)・BI(ブランドアイデンティティ)は、次のようにまとめられます。
CI(コーポレートアイデンティティ)とは
企業ブランドを築き上げ定義すること、要するに【思想】の統一のことを言います。
VI(ヴィジュアルアイデンティティ)とは
ブランドを可視化することで、【視覚】を統一し、整合性や理解を深めることです。
BI(ブランドアイデンティティ)とは
CI、VIを通し、ブランドを明確に訴求をすること、【価値】の統一のことを言います。
CI・VI・BIは企業的価値を高めるためのデザインコンセプトを決める際に、とても重要な役割を担います。
CI(コーポレートアイデンティティ)とは
「企業の持つ【思想】を統一して、ヴィジュアルやメッセージなどで企業の内外に発信・共有し、たくさんの人に理解してもらうことでその企業の企業的価値を高めること」を言います。
CIはMI(マインドアイデンティティ)+BI(ビヘイビアアイデンティティ)+VI(ヴィジュアルアイデンティティ)で成り立ってます。フローとして、
①MI(マインドアイデンティティ):まず考えの統一を促します。
つまり、企業の目指すべき理想を社会の中でどうありたいかという明確な目的につなげることで企業の方向性が決まります。
②BI(ビヘイビアアイデンティティ):次に行動を統一します。
方向性が決まったところで、目的の実現に向けて具現化します。ビヘイビアは行動という意味です。ぼんやりした理想をより明確にしていく過程にMIもBIも含まれます。
③VI(ヴィジュアルアイデンティティ):最後に視覚を統一します。
MI・BIでまとめたコンセプトをもとに視覚的にシンボル化します。
1980年代、大企業を中心に多額の予算を使い広告を打ち出す際、「CIブーム」が起こりました。
しかしその多くはロゴの変更や社名を変えることに留まりました。
そのため本来の企業ブランドを築き上げ定義する目的とほど遠いものとなっていました。
それから90年代に入り、バブル崩壊とともに「CIブーム」は一旦終息しました。
VI(ヴィジュアルアイデンティティ)とは
VIは「CI」の構成要素でもあります。上記にある、③の視覚化ということです。
VIの目的はブランドイメージをヴィジュアルで理解浸透させる事です。ヴィジュアルを打ち出すことで、視覚で理解・共有・認識がよりされやすくなる手段ともいえるでしょう。
具体的に、WEBサイトやパンフレット、名刺や会社案内などのチラシに至るまであらゆる企業のヴィジュアルのデザインを統一します。それによってユーザー、顧客、社員に一貫した企業価値を認めてもらい、企業の存在感をより高めていけることにつながります。
BI(ブランドアイデンティティ)とは
企業が持っている独自の「らしさ」です。
CIやVIのように見た目で個性を出していくのではなく、より深くブランドとしての価値を明確にしていくのがBIになります。
ブランディングは企業の「こう思われたい」と顧客の「こう思う」というものの一致により認知を深めてもらわなければなりません。
より明確にコンセプトを深め、ブランドとして多角的なアプローチをすることで価値を高める事がBIなのです。
まとめ
企業の最終目標はサービス、商品を通し企業を認知してもらうとともに「この企業でなくてはならない」というブランドとして絶対的な価値を持つことです。
そのために今一度CI・VI・BIをもって、より良いブランディングのために本質や目的を見直し、表現することが必要なのかもしれません。